Introduction
  • 原作:村上春樹 × 監督:濱口竜介
    映画史を書き換える至高の179分! 新たなる傑作の誕生
    数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。これまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し、その名を轟かせてきた。待望の最新長編作となる本作も見事、本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした!
    これまで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。本作では原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだした。さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいく。
  • 妻との記憶が刻まれた車。聴けなかった秘密。孤独な二人が辿りつく場所──
    再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる、圧巻のラスト20分
    舞台俳優であり演出家の家福かふくは、愛する妻のおとと満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。
    喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。
    人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。登場人物が再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。
  • 西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか
    実力派俳優陣と海外キャストが9つの言語で紡ぐ、唯一無二の人間ドラマ
    主人公の家福を演じるのは、日本映画界に欠かせない名優、西島秀俊。行き場のない喪失を抱えながらも、希望へと一歩を踏み出していく心の機微を見事に体現した。ドライバーのみさきには、高い演技力に加え、歌手としても活躍するなど多彩な才能で注目を集める三浦透子。さらに、物語を大きく動かすキーパーソンの高槻に岡田将生。家福の妻・音を霧島れいかが演じるなど、実力派俳優陣が集結。胸に迫る演技で、物語をより一層深化させている。
    また、韓国・台湾・フィリピン・インドネシア・ドイツ・マレーシアからオーディションで選ばれた海外キャストも出演。日本人キャストとの見事なアンサンブルを見せ、劇中の多言語劇を中心に9つの言語を交えて展開する、誰も観たことのない唯一無二の物語を彩る。
原作:村上春樹 × 監督:濱口竜介
映画史を書き換える至高の179分! 新たなる傑作の誕生
数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。これまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し、その名を轟かせてきた。待望の最新長編作となる本作も見事、本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした!
これまで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。本作では原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだした。さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいく。
妻との記憶が刻まれた車。聴けなかった秘密。孤独な二人が辿りつく場所──
再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる、圧巻のラスト20分
舞台俳優であり演出家の家福かふくは、愛する妻のおとと満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。
喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。
人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。登場人物が再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。
西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか
実力派俳優陣と海外キャストが9つの言語で紡ぐ、唯一無二の人間ドラマ
主人公の家福を演じるのは、日本映画界に欠かせない名優、西島秀俊。行き場のない喪失を抱えながらも、希望へと一歩を踏み出していく心の機微を見事に体現した。ドライバーのみさきには、高い演技力に加え、歌手としても活躍するなど多彩な才能で注目を集める三浦透子。さらに、物語を大きく動かすキーパーソンの高槻に岡田将生。家福の妻・音を霧島れいかが演じるなど、実力派俳優陣が集結。胸に迫る演技で、物語をより一層深化させている。
また、韓国・台湾・フィリピン・インドネシア・ドイツ・マレーシアからオーディションで選ばれた海外キャストも出演。日本人キャストとの見事なアンサンブルを見せ、劇中の多言語劇を中心に9つの言語を交えて展開する、誰も観たことのない唯一無二の物語を彩る。
Cast
西島秀俊
Hidetoshi Nishijima
西島秀俊家福悠介
1971年3月29日、東京都出身。『居酒屋ゆうれい』(94/渡邊孝好監督)で映画初出演。主な出演映画は、『ニンゲン合格』(99/黒沢清監督)、『Dolls』(02/北野武監督)、『CUT』(11/アミール・ナデリ監督)、『劇場版MOZU』(15/羽住英一郎監督)、『クリーピー偽りの隣人』(16/黒沢清監督)、『散り椿』(18/木村大作監督)、『空母いぶき』(19/若松節朗監督)、『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)、『劇場版 奥様は、取り扱い注意』(21/佐藤東弥監督)など。今後も映画『劇場版きのう何食べた?』(中江和仁監督)、『シン・ウルトラマン』(樋口真嗣監督)、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」など話題作への出演が続く。
三浦透子
Toko Miura
三浦透子渡利みさき
1996年10月20日、北海道出身。02年、サントリーのCM「なっちゃん」で2代目なっちゃんとしてデビュー。主な出演映画は、『私たちのハァハァ』(15/松居大悟監督)、『月子』(17/越川道夫監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『ロマンスドール』(20/タナダユキ監督)、『おらおらでひとりいぐも』(20/沖田修一監督)など。また、『天気の子』(19/新海誠監督)では、主題歌のボーカリストとして参加。昨年には、初のオリジナル作品となる1st mini album「ASTERISK」を発売するなど歌手としても注目を集める。今後は、映画『スパゲティコード・ラブ』(丸山健志監督)の出演などを控えている。
岡田将生
Masaki Okada
岡田将生高槻耕史
1989年8月15日、東京都出身。2006年デビュー。主な出演映画は、『何者』(16/三浦大輔監督)、『銀魂』(17/福田雄一監督)、『伊藤くんAtoE』(18/廣木隆一監督)、『家族のはなし』(18/山本剛義監督)、『星の子』(20/大森立嗣監督)、『さんかく窓の外側は夜』(21/森ガキ侑大監督)など。今後も映画『Arcアーク』(石川慶監督)、『CUBE』(清水康彦監督)、主演舞台「物語なき、この世界。」、「ガラスの動物園」が控えるなど多方面で活躍中。
霧島れいか
Reika Kirishima
霧島れいか家福音
1972年8月5日、新潟県出身。モデルとして活躍する一方、1998年より女優として活動開始。主な出演映画に、ヒロインを演じた『運命じゃない人』(05/内田けんじ監督)、『パーマネント野ばら』(10/吉田大八監督)、『ノルウェイの森』(10/トラン・アン・ユン監督)、『しあわせのパン』(12/三島有紀子監督)、『家族ごっこ』(15/内田英治監督・木下半太監督)などがある。そのほか「24JAPAN」(20-21/EX)、「夜がどれほど暗くても」(20/WOWOW)など数多くのテレビドラマにも出演。
Comment
村上春樹さんの短編を濱口竜介監督が映画化する。その話を聞いた時、非常に興奮しました。濱口監督による熱のこもった脚本は想像以上に素晴らしく、いまを生きる多くの人の心に寄り添う作品になっていると確信しています。初めてご一緒した濱口監督の演出は新鮮で、撮影を重ねる度に新たな発見がありました。美しいロケーションのもと、スタッフ、国を超えて集まったキャスト一丸となって挑んだ作品です。
西島秀俊家福悠介
Comment
私が演じたみさきという女性は、自分の足で立って、仕事をして生きていく覚悟のある人です。彼女の姿勢から、私はたくさんのことを学びました。自分の弱さを受け入れ、何かを諦めながらも前向きに生きる勇気をもらいました。きっと私のように、彼女の優しさに救われる方がいると信じています。
三浦透子渡利みさき
Comment
台本を読ませて頂いた時にすぐ参加したいと思いました。そして、濱口監督といつかお仕事したいと願っていたのでお話を頂いた時にとても興奮したのを覚えてます。僕にとってこの現場は忘れられない、忘れたくない現場になりました。この役と出会いこの映画に出会えたことは今後の自分にとって財産になりました。芝居とは何か。とても怖く、とても繊細で、生き物だと感じました。
岡田将生高槻耕史
Comment
濱口監督の演出はとても不思議で、リハーサルを含め今まで味わったことのない心地良い緊張感と静けさで、「音」という人物に近づけてくれました。本来演者がしなければいけない作業を、監督が毎回綿密な準備をしてくださり、心からその熱意が伝わり、その思いに絶対に応えたい気持ちになりました。撮影現場の雰囲気もとても良く、監督とスタッフの間に一体感が生まれ、その中に赤いサーブが重なったあの感動的な光景は、今でも忘れられません。
霧島れいか家福音
Comment
この場を借りて、素晴らしい小説の映画化を許可していただいた村上春樹さんに御礼を申し上げたい気持ちです。ありがとうございました。本当に面白い小説を、最高の形で映画化できたと思っています。キャストやスタッフの仕事を見ながら、いくつも奇跡的な瞬間に立ち会ったという実感があります。そして、その実感はきっと観客にも伝わるものだと確信しています。3時間、あっという間だと思います。そして、何度でも見たくなる映画だとも思います。小説と往復するように見返していただけたら、こんなに嬉しいことはありません。まずは是非、御覧ください。
濱口竜介監督・脚本
Director
濱口竜介
Ryusuke Hamaguchi
濱口竜介監督・脚本
1978年12月16日、神奈川県生まれ。08年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同制作『THE DEPTHS』(10)が東京フィルメックスに出品、東日本大震災の被害者へのインタヴューから成る『なみのおと』、『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(11~13/共同監督:酒井耕)、4時間を超える長編『親密さ』(12)、染谷将太を主演に迎えた『不気味なものの肌に触れる』(13)を監督。15年、映像ワークショップに参加した演技未経験の女性4人を主演に起用した5時間17分の長編『ハッピーアワー』が、ロカルノ、ナント、シンガポールほか国際映画祭で主要賞を受賞。さらには、商業映画デビュー作にしてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された『寝ても覚めても』(18)、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)受賞という快挙を成し遂げた短編集『偶然と想像』(21)、脚本を手掛けた黒沢清監督作『スパイの妻〈劇場版〉』(20)がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝くなど、これまで国際的な舞台でその名を轟かせてきた。商業長編映画2作目となる『ドライブ・マイ・カー』(21)は、原作に惚れ込み自ら映画化を熱望、脚本も手掛ける意欲作。
Filmography
2008
『PASSION』115分
第63回サン・セバスチャン国際映画祭、第9回東京フィルメックス正式出品
2009
『永遠に君を愛す』58分
第8回パリ国際映画祭正式出品
2010
『THE DEPTHS』121分
第11回東京フィルメックス正式出品
2011
『なみのおと』※ 142分
第65回ロカルノ国際映画祭正式出品
2012
『親密さ』255分
2013
『なみのこえ 新地町』※ 103分
第65回ロカルノ国際映画祭正式出品
『なみのこえ 気仙沼』※ 109分
第65回ロカルノ国際映画祭正式出品
『うたうひと』※ 120分
第65回ロカルノ国際映画祭正式出品
『不気味なものの肌に触れる』54分
第35回PFFぴあフィルムフェスティバル正式出品
2015
『ハッピーアワー』317分
第68回ロカルノ国際映画祭 インターナショナルコンペティション部門 最優秀女優賞、脚本スペシャル・メンション
第37回ナント三大陸映画祭 コンペティション部門 「銀の気球」賞、観客賞
第26回シンガポール国際映画祭 アジア長編映画コンペティション部門 最優秀監督賞
第66回文部科学大臣芸術選奨新人賞
第 6回バルセロナ・オトゥール国際映画祭 観客賞
第19回グアナファト国際映画祭 最優秀作品賞
第10回アジア太平洋スクリーンアワード 最優秀脚本賞
第11回キヨタノ現代日本映画祭 金の太陽賞
2018
『寝ても覚めても』119分
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品
第40回ヨコハマ映画祭 日本映画ベストテン第1位、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、最優秀新人賞、撮影賞
第42回山路ふみ子映画賞 映画賞、新人女優賞
第28回日本映画プロフェッショナル大賞 監督賞、ベストテン第2位
第10回TAMA映画賞 最優秀作品賞、最優秀男優賞、最優秀新進女優賞
おおさかシネマフェスティバル2019 日本映画 音楽賞
2020
『スパイの妻〈劇場版〉』115分/監督:黒沢清 脚本のみ担当
第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)
2021
『ドライブ・マイ・カー』179分
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品
短編集
『偶然と想像』121分
第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)
※『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』は酒井耕との共同監督作品
Original Author
Haruki Murakami
村上春樹原作
本作の原作である「ドライブ・マイ・カー」は、「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連作された(2013年12月号-14年3月号)短編小説の一作目。のちに、同作含む全6篇を収録した短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)として発売。バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に挙げたことでも話題となった。現在、累計発行部数は70万部を突破、19カ国語に翻訳され多くの国で愛されている。
映画化に際しては「ドライブ・マイ・カー」のほか、同短編小説集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影されている。
Staff
Teruhisa Yamamoto
山本晃久プロデューサー
1981年、兵庫県出身。映画『彼女がその名を知らない鳥たち』(17/白石和彌監督)、『寝ても覚めても』(18/濱口竜介監督)、『スパイの妻〈劇場版〉』(20/黒沢清監督)などを手掛け、第25回新藤兼人賞プロデューサー賞、第45回エランドール賞プロデューサー奨励賞受賞。「山田孝之のカンヌ映画祭」(17/TX)、「恋のツキ」(18/TX)、「全裸監督シーズン2」(21/Netflix)など数多くのドラマも企画・制作。待機作にNetflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21/森義仁監督)がある。
Takamasa Oe
大江崇允脚本
1981年、大阪府出身。近畿大学で舞台芸術を学んだ後「旧劇団スカイフィッシュ」を旗揚げ、演出や俳優として舞台作品に携わる。その後、映画制作を始め、監督・脚本として活動。監督作品にCINEDRIVE2010監督賞を受賞した『美しい術』(09)、第7回CO2グランプリほか国内外で評価を受けた『適切な距離』(11)などがある。また、ドラマでは演出「君は放課後、宙を飛ぶ」(18/TBSサービス・東映)、脚本「恋のツキ」(18/TX)などがある。
Eiko Ishibashi
石橋英子音楽
音楽家。映画音楽の制作をきっかけにソロ作品を作り始める。近年では海外フェスティバルへの参加や海外レーベルからの作品リリースなど活動範囲は多岐に渡る。これまでに映画『夏美のホタル』(16/廣木隆一監督)、『アルビノの木』(16/金子雅和監督)、アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」(19)、劇団マームとジプシーの演劇作品、シドニーのArt Gallery of NSWの「Japan Supernatural」展などの音楽を手掛ける。
Hidetoshi Shinomiya
四宮秀俊撮影
大学在学中に映画美学校に入学。初等科・高等科を経て撮影助手として映画やMVなどの撮影に参加。その後カメラマンに。撮影を手掛けた主な作品に、三宅唱監督『Playback』(12)、『きみの鳥はうたえる』(18)、『ミスミソウ』(18/内藤瑛亮監督)、『さよならくちびる』(19/塩田明彦監督)、『宮本から君へ』(19/真利子哲也監督)、『佐々木、イン、マイマイン』(20/内山拓也監督)などがある。第41回・42回ヨコハマ映画祭撮影賞受賞。
Taiki Takai
高井大樹照明
1980年、新潟県出身。早稲田大学在学中に映画美学校に通い、映画制作を学ぶ。照明助手として、『私の男』(14/熊切和嘉監督)など数々の現場に参加。照明を手掛けた主な作品に、『殺しのはらわた』(08/篠崎誠監督)、『土竜の祭』(10/井土紀州監督)、『シュシュシュの娘』(21/入江悠監督)、『しあわせのマスカット』(21/吉田秋生監督)、『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』(21/松居大悟監督)などがある。
Comment
※敬称略・順不同
逃げずに、向き合わなくてはいけないというメッセージが、
赤いサーブの美しいエンジン音と共に、今でも僕の車の中に響き続けている。
隈研吾
建築家、東京大学特別教授・名誉教授
濱口竜介監督は、最近の日本やアジアにおいて、非常に稀有な監督だ。
執拗に、粘り強く、決して焦ることなく、着実に自身が伝えようとするところに辿り着く。
どれだけ時間がかかったとしても。そんな怪物のような強靭さを備えている。
『寝ても覚めても』の時から既に巨匠の領域に入っていたが、その巨匠の領域を証明した映画が『ドライブ・マイ・カー』だ。
ポン・ジュノ
映画監督
人はなぜ物語を求めるのかを問う
その動機が知りたきゃ走る車に乗ってみろと言われてるような
そんな素敵な『ドライブ・マイ・カー』‼︎
岩松了
劇作家・演出家
映画『ドライブ・マイ・カー』、3時間を長く感じさせない傑作でした。
僕にはなによりも三浦透子が鮮烈でした。「祝祭」や「グランドエスケープ」の歌声を思うと、存在の幅に驚きます。
でも今にして思えば、RADのスタジオで初めて透子さんに会った時の印象が既にみさき的、春樹的だった気もします。
新海誠
アニメーション監督 ※ご自身のTwitterより
孤独とは自分で自分に話しかけること。
そんな事を言った人がいる。
この映画の主人公の男は、自分で自分に話しかけることによって、
「私」になって、そして、喪失を希望に変えた。
スタジオジブリ 鈴木敏夫
サーブの切り立ったフロント・ウィンドウが、身悶えしながら次々とトンネルに吸い込まれていく。
それは西島秀俊のたどる過酷な運命そのものだ。
こんな自動車映画いまだかつて見たことがない。
黒沢清
映画監督
濱口監督の映画は、迫力がある。
慌てず急がず、丁寧に、紡ぐように語るのに、妙な迫力がある。それが三時間続く。
いつの間にか、他者という謎と、自分という謎についての気付きが、心の深いところに芽生えていた。
反芻しがいのある、すごい映画だ。
前川知大
劇作家・演出家
見立てられたイメージによって、疾走と失速を同時に見た。初めての体験だった。
わたしたちは飛ぶこともできるが、思考のなかで立ち止まることもできる。
そして、それらはすべて音の残像と余韻に含まれるものだった。
藤田貴大
演劇作家
静けさの果てに
人の本当の心が溢れ出す瞬間は
時が止まったように美しく、
思わず、息を止めていた。
坂本美雨
ミュージシャン
男性と女性。同じ人間なのに生き物としてこんなにも違うのですね。
そして、そこに「演技」というエッセンスが入ることで、登場人物たちの本心はどこ?と惑わされる。
そこが観ていて可笑しい。濱口組で過ごした時間を懐かしく思いました。
瀬戸康史
俳優
死者の言葉が現在を生きる登場人物たちの物語と交錯し、作品に奥行きを与えている。
遠野遥
作家
喋るほどに空っぽな入れ物になる大人たち。
車や子供やオバケたちが、まったくけしからん!と彼らの周りを駆ける。
夏目知幸
ミュージシャン
人は辛い現実に直面した時、苦しみ悲しみから逃げたい気持ちになります。
この大変な日々の中、素晴らしい作品に巡り会い勇気を貰らい涙しました。
どんなことがあっても最後はきっと神様が褒めてくださいます。
大丈夫、大丈夫と…
そう祈って生きて行きたいと…
小野リサ
ボサノバ歌手
傷ついたふたつの魂の浄化と再生の物語。
「生き残った者は、死んだ者のことを考えつづける……ぼくや君はそうやって生きて行かなくてはいけない」。
終幕近くに置かれた主人公のことばが胸に迫る。
全編をとおして木魂しているのは、チェーホフの芝居『ワーニャ伯父さん』だ。
「あたしたちは苦しみました、泣きました、つらかった」、そんなソーニャの台詞がリフレーンのように観る者の心のひだに波紋を広げてゆく。
静かに、しかし深く……。これは映画史上にも刮目すべきチェーホフ劇として記憶されるだろう。
浦雅春
ロシア文学者
知りたい、わからない、それでも知りたい。
人と人とが理解しあうこと、つながりあうことはとても困難だけど、
ここにはその可能性を示す道筋がまざまざと記録されている。
声や語りや芝居の力によって。驚きを抑えられない。
門間雄介
ライター・編集者
これは、映画史に残るオープニング。
どの俳優にとっても代表作であり濱口竜介監督でなければ達成できない最高傑作を、
私は一生忘れないだろう。
伊藤さとり
映画パーソナリティ
同じ言葉を使っていても人と人の間にわからなさはあって、
それでも話し、聞くことでその隔たりを乗り越えていく、という希望を見た。
小川知子
ライター・編集者
静謐な作品に見せかけているが、
精緻な脚本と隙の無い演出、内面に潜る演技でするりと観る者の心に“合流”し、生の感情を引きずり出す。
「乗せられている」ことすら気づかせない神業に、ただただ震え、敬服した。
この傑作が往く道は、きっと世界に直結している。
SYO
映画ライター
ワーニャの肩口からソーニャが波動を放つ「長台詞」の場は、
村上春樹の短篇が書かずにいた家福とみさきの行く末をも想わせ、
怒りや痛みを胸元で濾過したような、清浄・崇高の時空となる。
後藤岳史
映画ライター
これは、世界も認める人間賛歌を描いた正真正銘の濱口竜介監督作品だ。
松崎健夫
映画評論家
チェーホフの「ワーニャ伯父さん」を劇中劇として抱える本作は、
劇内外の物語が共振して葛藤の深度を増していく。
村上春樹の短編を再構築し、埋もれた救いを形にする旅に出た濱口竜介の道程には、
聖なる赤い箱に身を委ねた巡礼の、静かな温もりが確かにある。
中井 圭
映画解説者
これほど緊張感がみなぎる映画には久々に出会った。プロデュースワークと作家性。
多声的なテクストの衝突と、融和の可能性。
あらゆる意味で『戦メリ』(大島渚)を感じる。筆者はこういう闘い方が大好きだ。
森直人
映画評論家
張り詰めたスクリーンの静寂に、
彼らの心の声が聞こえるのではないかと息を詰めて見入ってしまう。
小説ではできない映画表現を最高のカタチで実現した。
この旅は映画館の大スクリーンでなければ体験できない。
立田敦子
映画ジャーナリスト
悲しみと再生について描いた、深い感動の物語。
Variety
濱口監督は、この映画で世界的な才能の持ち主であることを証明した。
Little White Lies
詩的な深みと革新的な野心を兼ね備えた、素晴らしいロードムービー。
Hollywood Reporter
すべてのシーンが秘密のように感じられる、親密な舞台でのささやきのような映画。
IndieWire